光景ワレズ

KOUKEI-Warez photography

風味

MINOLTA CLE / Elmar 5cm F3.5 (FP4 PLUS)

インド旅行記(07)

Mさんのアドバイスでは、このリクシャーに乗ってやってきたラールキラーという観光スポットは、中に入るとガッカリするので外から眺めるのが一番とのことだ。なので金を払わずに眺めるだけで済まし、周囲の街を散策することにした。泊まった宿の周囲とはまた別の雰囲気があり、もう少し具体的にいうとより貧乏そう、もっと言うと下層の人が多いように感じた。 途中、子供たちがやっている食べ物の屋台を見つけたので買ってみた。いわゆるカレーが入った小皿と、小麦粉を膨らませたような、ちょうどカレーパンの皮の部分だけで中身はからっぽのものを渡された。これで10ルピー(20円)である。ちなみにこれを食べた後、たまたまマクドナルドを見つけたので入ってみたらマックベジというベジタリアンでも食べられるハンバーガー、まあただのコロッケバーガーだったのだが、これとコーヒーで約100ルピーであった。どちらかというとこの屋台のカレーとパンの分離ものが安いというより、マックは高級なんだと改めて思うところだ。今でこそ低所得者層に愛されるマックであるが、ぼくらの世代以上では、子どものころのマックはたまの贅沢というイメージがあるのではないだろうか。 …と、あまり関係ない話になったが、さて本場のカレーはどうかと思い口にした。 よくガイドブックなどには、インドには実はカレーというものは無く…云々といった薀蓄が見受けられたりもするが、要するに、いわゆるぼくらが思い浮かべるカレーである。 さて、これが口にすると、実にコクも深みもなく、やや辛いという程度のものである。井之頭五郎だったら逆にこれだよこれ!なんて賞賛したりするのかもしれないが、カレーパンの皮だけのほうも、うちの親が原液から薄めて作ったカルピスくらい味気がない。本場ならどこでも旨いというわけではないことは承知しているつもりだが、考えてみたらこんな子供たちが作ってるカレーでいちいちコダワリのスパイスやらなんやら使ってるわけがない。むしろ日本のカレーのすごさを改めて思い知った気分である。