光景ワレズ

KOUKEI-Warez photography

顔剃

MINOLTA CLE / Elmar 5cm F3.5 (FP4 PLUS)

インド旅行記(17)

前にも書いたが、バックパックを背負いながら街を歩くときのインド人からの注目度は結構高いものがあり、年末に作り笑いを浮かべながら成田空港を歩く芸能人の気持ちがちょっとわかるような気がしてくる。同じリクシャーに乗っていた学生さんと一緒に、とりあえずガンガーを見よう、ということで川沿いを歩きながら宿を探していると、おっさんが一人、ぼくらの姿を見て、近寄ってくるのかと思ったら逆に逃げ出したので何なんだろうと思っていたら、その数分後、先回りをしてあたかも今偶然見つけたかのように声をかけてきたのには笑ったが、とにかくそういう勝手ガイドが常につきまとう。最終的に決めた宿にも特にガイドをお願いしたわけではないが、勝手に宿の人に自分が紹介したのでリベートをくれ的なことを言ってる奴がいた。 ひとまず宿を取れると安心する。もう夕方くらいではあったが、まず荷物を置いて散策することにした。バラナシの安宿がある一帯は大変道が入り組んでいて、しかも空が見えないのでどっちを向いているかわからなくなる。さらに足元には牛のウンコがあったり汚い水でびちゃびちゃだったりで、流石にわけがわからなくなってくる。散々歩いてようやく大通りに出ると、今度はリクシャーの勧誘が待ち構えている。明らかに軽装で遠くに出る気はないことはほぼ明白なのに、二言目にはリクシャー?リクシャー?の嵐である。そしてガンガーを眺めてその壮大さに浸ろうとすると、今度はボート?ボート?の連呼でまったく感慨にふける暇ができない。よく、インドに来る、ガンガーを見ると人生観に影響が……などという話を聞くが、それって聖なる河の、ことばにできないような荘厳な雰囲気によるものとかではなくて、リクシャーやボートやガンジャの勧誘の嵐に囲まれてのものなのかな、とちょっと気づいたりした。

写真について。これはある好きな写真系サイトの人がやっていたことの猿真似で、いつかやりたいと思っていた床屋ショット。(日本の床屋ではちょっと頼みづらいので)インドならできると思ってやってみた。流石に髪を切るわけにはいかないので顔剃りだけお願いした。本当はシャンプーしてほしかったけど、そういうのはおそらく床屋ではしないらしい。ぼくはひげが少ないので値段をまけろ、といって少し安くしてもらったけど、結局流れで顔マッサージ代とか取られてしまった。こういう商売のやりかたを見習わないとだめかもな。