光景ワレズ

KOUKEI-Warez photography

南越(5)

Leica MP / Summarit 5cm F1.5 (HP5 PLUS)

夜、ホーチミンシティで旅行客がよく集まる街を歩いていた。目的は「ホビロン」という、まあ一般的にはグロ料理としてネタにされているやつを食べるため、その屋台を探していたのだ。 屋台に目を配りながら歩き、なかなか見つからないなと思っていたところで突然日本語で声をかけられた。振り向くと若い学生さんのようだ。聞くと、今さっきここに着いたものの宿がありそうなところがわからないので教えてほしいという。勿論ボッタクリのニセ日本人でもないので自分の泊まった宿を案内してあげた。自分は1日早く来ているのですっかり慣れたが、初日はどこにいってもやはりドキドキするものだ。 その後彼と待ち合わせして食事をすることにした。「来て早速で悪いけどホビロン食べたいと思ってるんです」と彼に伝え、半分強制で食わせることにした。ついでに屋台の場所を宿の人に聞いたらあっさりと見つかった。

ホビロンとは孵化しかけのヒヨコのゆで卵みたいなやつで、ゆえに軽くヒヨコっぽさが見えちゃったりするため見た目のインパクトが凄い。とはいえ実際の味はあのタマゴひとつの中に親子丼と軟骨とスープが入ってるような感じで、要するに鶏づくしな感じで旨い。 山岡じゃないけどあまり食文化をグロだの何だのと思考停止するのは好きではないし、失礼ですらある。単純にマズいのは困るけど、何からできているのか、どこから来たのかすらよくわからない食い物ばかり普段食べてるわけで、それに比べたら健全な味に感じた。 (写真はホビロン屋台の娘)

※ちなみにinstagramにあげた実際のブツの写真はこちらにあります。