光景ワレズ

KOUKEI-Warez photography

糠南

Leica MP / Summaron 35mm F2.8 (DELTA100)

宗谷本線 糠南駅

日本で一番好きな駅は、と訊かれたら(というか冷静に考えたらこの質問自体がどうなのかと思うが)真っ先にここが候補に挙がると思う。というくらいこの糠南駅を気に入った。駅舎は味のある木造なんかではなくただの物置だし、歴史を感じさせる遺構があるわけでもない。本当に何も無く、その無いっぷりに惚れたのだった。 列車は1日上下合わせても5本しか停まらないので旅程に組み込むのは大変かもしれないが、ぼくの場合はまずここに寄ることありきにスケジュールを組んでいるので問題はない。 ぼくが降りようとすると、一緒に女子高生も降りた。彼女にとってはこの秘境呼ばわりされている駅が地元であり、日常であるのだ。そして、彼女の存在こそがこの駅の存在価値であると言える。 たまにぼくと同じようなのが意味も無く自分と一緒に下車して、その都度気持ち悪い思いをしているのかもしれないが、ぼくは彼女の後ろ姿にただただ感謝の思いを送るのであった。