光景ワレズ

KOUKEI-Warez photography

帰郷

Leica MP / Summar 5cm F2.0 (FORTEPAN200)

2008/03/16(日) 島原鉄道線島原外港加津佐までの通称南線が4月1日をもって廃止になるとのことで、これを狙って来ていたわけではないけど、丁度九州を訪れているのも何かの縁と思い廃止前の全線を乗車した。 予想通り鉄オタの人で車内は賑わっており、地元のおじさんにも「あんたらみたいの、みんなマニヤっちゅうの?こういうんのの」と半分物珍しそうに、半分迷惑そうに話しかけられた。流石に一緒にくくられることを否定できなかったので、そうだと思います、すみませんお騒がせしていて、と何故か彼らの代表のような口ぶりをもって答えた。 ある程度の人の乗車が見込まれる場合、ぼくは敢えてボックス席を外してドア横の2人がけに座る。余程でもなければここに座ってこようとする人はいないからである(ボックスに他人が座っても全然いいのだけど、ちょっと気を遣うのがあまり好きではないのだ)。今回もまた結構な乗車率なのでそこに陣取った。 向かいには、お母さんと子ども二人が座っていた。お兄ちゃんのほうは外を見たり前を見たり、テツの片鱗垣間見る感があったが、弟のほうはやっぱり少しすると飽きてしまい、グズりながらもジュース、お菓子、景色、そしてたまにぼくとのアイコンタクトなんかをしながら時間をつぶしていったようだ。あの子くらいのときの2時間って相当に長く感じるんだろうなあ、こっちなんてもう一瞬なのに、と思っていたらやっぱり一瞬で終点の加津佐に着いた。 加津佐では二人を彼らのおじいちゃんおばあちゃんが出迎えていた。多分この子たちの鉄道での実家帰りはこれが最後になるんだろうなあ。加津佐駅が今後どうなるのかわからないけど、じいちゃんばあちゃんに会いに電車(気動車だけど)に乗ってここまで来ていたんだよ、という記憶は彼らが大きくなった後にも残ってるといいなあ。

今更そんなことを言ってもどうにもならないのだけど、そういう、いい思い出を持つことっていうのに憧れるこの心境ってなんだろう。